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イノベーション書評

私の本棚
第2回テーマ:イノベーション

2016年12月8日

日本ユニシスグループの社員がお薦めする書籍をテーマ別に紹介するコーナー。専門的知識が不要なものから上級者向けの本、推薦者の「座右の書」といった数冊を取り上げます。今回のテーマは「イノベーション」。価値ある一冊に巡り合う一助となれば幸いです。

今回の推薦者

日本ユニシス
全社プロジェクト推進部 企画推進室
大堂由紀子

アントレプレナーの教科書 新規事業を成功させる4つのステップ

アントレプレナーの教科書 新規事業を成功させる4つのステップ

起業を目指す人や新規事業に取り組む人にお薦めの本。前例のない価値ある事業ほど不確実要素が多く、その中からチャンスの糸口を見つけて確実に進む必要がある。本書は経験や思考不足を補って新規事業を成功させる道を示し、良いモノや差別化されたモノをつくれば売れるではなく、「誰がいくらで買う」のかを具体的に考える訓練に役立つ。顧客とは誰か、真の課題とは何か。多数の成功、失敗事例からまとめ上げられ、分かりやすく納得感が高い。巻末には、事業をつくり上げていく各段階のチェックポイントが細かく記載されており、前段階に立ち返る虎の巻としても利用できる。

[著]スティーブン・G・ブランク
[訳]堤孝志、渡邊哲
[出版社]翔泳社
[発行年月]2009年5月

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る

分かりやすく説得力のある表現で顧客に価値を伝えることができるか――。著者の姉妹本『ビジネスモデル・ジェネレーション』は、自社視点でビジネスモデルをつくるツールであったのに対し、本書は顧客視点でビジネスを見直し製品価値を最大化するツールとなっている。顧客の真の課題と自社の製品やサービスとのフィット&ギャップを繰り返し検証するという、イノベーションの楽しさを学ぶことができる。かわいいイラストで描かれており初心者も読みやすく、顧客さえも見逃している課題を見いだし、解決策を徹底的に考えられる。オンライン教材も用意されており、読み進めながら実践できる。

[著]アレックス・オスターワルダー、イヴ・ピニュール、グレッグ・バーナーダ、アラン・スミス
[訳]関美和
[出版社]翔泳社
[発行年月]2015年4月

イノベーションのジレンマ

イノベーションのジレンマ

本書は古典的な入門書であり、新規事業やイノベーションに関する仕事に従事する人々が読んでいる、今や周知の常識になっている名著。成功体験が新たな成長を阻むパラドックス。誠実に既存顧客の要望に対応し短期利益を追求する活動は、新たな成長市場にシフトする余裕がなくなり衰退させる。持続的イノベーションとは別の視点で、新技術に目を向け、既存顧客にとらわれない組織をつくり上げる必要がある。未読の方には、実際に手に取って読み、常識を破壊する新たなイノベーションに向け知見を広げることをお勧めする。10年以上たっても価値が失われない、問題提起し続ける本である。

[著]クレイトン・クリステンセン
[監修]玉田俊平太
[訳]伊豆原弓
[出版社]翔泳社
[発行年月]2001年7月

なぜ人と組織は変われないのか

なぜ人と組織は変われないのか

必要だと分かっていても、85%の人は行動すら起こさない。なぜなら人は表向きの目標と、それを自ら阻害する裏の目標を持っているからだ。これに対し、「免疫マップ」は気づいていない固定観念を明らかにする手法であり、変化に対して自分を守ろうとしているメカニズムを解き明かすことができる。自己変容を受け入れられる人や組織は、既存の価値観にとらわれることなく様々な考えを取り入れ、イノベーションを創造する土台を持つことができるのではないか。

[著]ロバート・キーガン、リサ・ラスコウ・レイヒー
[訳]池村千秋
[出版社]英治出版
[発行年月]2013年10月

本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間

本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間

イノベーションに関連する書籍を学ぶにあたって、読み手側に豊かな土壌がなければ、どのような名著を読んだとしても、その読書体験は貧しいものとなる。同じインプットであっても、人によってアウトプットが異なるのはなぜか。これは読書体験だけではなく、イノベーションの様々な場面で垣間見られる。本書は「読書」という行為そのものに焦点を当てており、文字列の解釈を脳内のイメージに着地させる。ビジネス書の一服に。気づきが生まれるかは読み手次第だ、と問いかけてくる想像力の働き方を考える一冊。

[著]ピーター・メンデルサンド
[訳]細谷由依子
[出版社]フィルムアート社
[発行年月]2015年6月