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イベント地域地方創生

新たな「まちづくり」を体感できるソリューションを発信
デジタルデータを活用して観光客や来店客を増やす方法とは

2016年12月27日

自治体や企業、大学、社会起業家などが一堂に会し、参加者同士の協業による地方創生を目指すイベント「まちてん」が、2016年12月9~10日に東京・渋谷で開催された。デジタルデータを活用したエクスペリエンス重視のソリューションを展示し、多くの来場者から関心を集めた日本ユニシス、およびユニアデックスの展示ブースの模様を紹介しよう。

デジタルサイネージで外国人観光客の集客を図る

タイムアウト東京とタイアップしたデジタルサイネージの説明をする、日本ユニシス ファイナンシャル事業部 エコビジネス推進二部一室の高橋誠

新たな「まちづくり」を創出することを目的に開催された「まちてん」。日本ユニシスの展示ブースで多くの来場者の注目を集めたのが、マルチリンガルで行動喚起型の情報を発信するガイドマップを発行しているタイムアウト東京とタイアップしたデジタルサイネージだ。

日本ユニシスの高橋誠は、「一般的なデジタルサイネージは広告映像を一方的に流すだけのものが多いのですが、今回はタッチパネルを採用。お客様が行きたい飲食店を現在地からの距離や時間、ジャンルなどで絞り込みながら検索ができるインタラクティブな機能を搭載しました」と、その見どころを示した。気になる店舗が見つかれば、画面に表示されているQRコードを自分のスマホに読み込むことで、詳細な情報を見たり、道案内(ナビゲーション)を利用したりすることもできる。

さらに面白いのが「ホット情報」だ。もともとは各店舗が旬のお薦め情報などを発信するために用意された機能だが、今回は本イベントの来場者が実際に店舗を訪れて、「あなたが体験したコト(To Do)」を発信する参加型のコンテストに用いられた。「訪れた対象店舗でイチオシの写真を撮って、簡単な感想コメントと一緒にスマホアプリから投稿していただくというもので、厳正な審査により優秀作品に選ばれた方には賞品が贈られます。おかげさまで多くのお客様にコンテストを楽しんでいただけました」と高橋は語る。

自治体の地方創生担当者をはじめ、インバウンド需要を取り込みたいと考える民間企業の来場者も、熱心にこのデジタルサイネージの説明に耳を傾けていた。

「英語と中国語、韓国語のほか、各地方を多く訪れる外国人観光客の特性に合わせて10カ国語以上の言語に対応することが可能です」と高橋は、このデジタルサイネージの大きな可能性をアピールした。

タッチパネルを採用したデジタルサイネージ。
QRコードを読み込めば自分のスマホで詳細な情報が見られる

日本の食文化の理解を深めて顧客単価もアップ

多言語接客サービス「WaviSaviNavi」を紹介する、日本ユニシス ファイナンシャル事業部 エコビジネス推進二部一室の七里綾香

日本ユニシスの展示ブースのもう1つの目玉は、「WaviSaviNavi(ワビサビナビ)」という多言語接客サービスだ。外国人観光客が飲食店に来店した際に、同サービスの専用アプリをインストールしたタブレットを渡しておくことで、“日本流”のスムーズなコミュニケーションが可能になるというものである。

日本ユニシスの七里綾香は、「単にメニューを多言語化するだけのものではなく、“通”の食べ方を紹介するといった、お客様の旅心を満足させる良質なコンテンツを搭載しています」とアピールする。例えば寿司店であれば、つまみから始めて焼き魚を頼み、締めに握り寿司を味わうといった“流れ”を紹介することができる。「日本の食文化に対する理解が深まり、店舗にとっては顧客単価を高めることにもつながります」(七里)

そのほか食材にこだわった調理風景や食べ方などを動画にして掲載することも可能。さらにトークアシストの機能では、「すみませーん」と店の人を呼んだり、「お会計をお願いします」「お手洗いはどこですか」といった日本語でのやりとりをサポートしたりする。

七里によると、同サービスは焼き肉店や寿司店での実証実験を経て、2016年11月から正式販売を開始しているという。来場者からは「宿泊施設や温泉、和装着物の販売店などでも使ってみたい」という要望も数多く寄せられており、七里は「まずは飲食店をターゲットに開発したサービスですが、ぜひそうしたカスタマイズも検討していきたいと考えています」と、今後の発展に向けた意気込みを示している。

商業地域や観光地域における「データの見える化」を促進

集められたデータを「見える化」するシステムを紹介する、ユニアデックス エクセレントサービス創生本部 未来サービス研究所 室長の村上義朗

「商業地域デジタルマーケティングのススメ」をテーマに、多様なデータを“見える化”するためのソリューションを展示したのがユニアデックスである。

ユニアデックスの村上義朗は、「商業地や観光地は、様々なデータを持っているにもかかわらず、うまく活用できていません。ユニアデックスはこの課題を解決することで、まちづくりに貢献したいと考えています」と語る。

例えばどんなデータを活用できるのだろうか。先に日本ユニシスの展示ブースで紹介したようなデジタルサイネージやアプリから集めたデータのほか、公式サイト、観光案内所で受け付けた問い合わせ内容、アンケート結果なども有効だという。

「訪日外国人を含めた観光客を呼び寄せるにしても、どんぶりの施策では困難です。暑い季節は暑いなり、寒い季節は寒いなりの、あるいは観光客の趣味嗜好に合わせたキャンペーンやイベントを展開する必要があります」と村上。そして、「ユニアデックスではより多くのデータを複合的に分析し、あたかも実在するかのような人物像を設定してアプローチする、いわゆる『ペルソナマーケティング』を提案しています」と強調する。

商業地域デジタルマーケティングのススメデータ分析による「商店街データ見える化プロジェクト」の概要

とはいえ、多様なデータを一気に集めようとしても無理がある。そこで同社は、比較的容易に収集できるデータからスモールスタートする方法を紹介した。例えば防犯カメラの映像から、人の動きをカウントするシステムもその1つだ。「こうした既存の施設から得られるデータからも、お客様の動線を分析することが可能なのです」と村上は語る。実際に同システムは多くの来場者から関心を集め、常に人垣に囲まれていた。

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